36:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:41:32.58 ID:S8sM1lda0
思えば、あのタイミングにどうしてちひろさんがやってきたんだろう。
もしかしたら、ちひろさんはプロデューサーさんに頼まれて、様子を見に来たんじゃないのか。私がいるかどうかを確かめて。
さっきのメッセージの着信時間を思い出す。最後のメッセージが届いたのは、ちひろさんが来る少し前だ。
「プロデューサーさん、私のことを心配してくれてたんですか」
どうしてか、プロデューサーさんはすぐには答えなかった。短い、不自然な沈黙だった。
「ああ、そうだよ」
返ってきたのは、いつものようにそっけない言葉。肯定をしてくれたのに、なんだか腑に落ちなかった。だからだろう、
後に続いた言葉も、なにか言い訳じみて聞こえてしまった。
「俺はほたるのプロデューサーだからな」
裕美ちゃんとはその後もよくレッスンで一緒になった。
連絡先も交換して、タイミングが会えば外でお茶やご飯にも行くようになった。
その日も、私のレッスン前と、裕美ちゃんがレッスン後、別々のレッスンだったけど、丁度空き時間が合ったから、私たちは駅の傍のドーナツ屋さんで集まっていた。
裕美ちゃんには、別の目的もあったのだけど。
「おまたせしました」
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