32:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:36:37.27 ID:S8sM1lda0
「プロデューサー、苗字に私と同じ漢字があるからでしょ」
「そうだよ。運命だと思わないかい、ひろみん」
「もう、プロデューサーはてきとーなんだから」
裕美ちゃんに、プロデューサーさん――もとい、関ちゃんプロデューサーはあっけらかんと笑っていた。
「ほたるちゃん、ひろみんと仲良くしてやってよね」
「仲よく……ですか」
楽しかった気分を覆い隠すように、不安の雲が現れた。
「ほたるちゃん……?」
「仲よくしない方が……いいかもしれません」
「どうしてそういう事言うの?」
裕美ちゃんの悲しそうな声に、胸がキュッとなった。
私だって、仲よくしたくないわけではない。
それでも、だからこそちゃんと伝えておかなきゃいけないことだと思った。
「私……その……凄く不幸で……私だけじゃなくて、周りの人も不幸にしちゃうの……前に別の事務所に居たって言ったよね。
こっちに移ってきたのも、前の会社が倒産しちゃったからで、その前も……だから、私と仲良くしたら、裕美ちゃんに迷惑が掛かるかもしれないから」
「ほたるちゃん……」
困ったように裕美ちゃんは見ていたけど、不意に首につけていたペンダントを外すと、私の手を持って、それを私に渡してきた。
あのとっても可愛いペンダントを。
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