31:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:35:28.96 ID:S8sM1lda0
「うん……分かった」
自信がなさそうに裕美ちゃんは頷いた。そんな裕美ちゃんの頭をプロデューサーさんがぽんと撫でだ。
「大丈夫だって、前の仕事も上手く行ってたよ」
「でも、向こうの人に笑顔が硬いって言われてたでしょ」
「アタシにとっては百点満点だった。それじゃ不満?」
「……まあ、プロデューサーが言うなら」
気恥ずかしそうに顔を俯けながらも、裕美ちゃんもまんざらではなさそうだった。
(仲、いいんだな)
仲がいいとは少し違うかもしれない。信頼しているのだ。プロデューサーさんのことを。
(それに比べたら……私たちは)
裕美ちゃんと裕美ちゃんのプロデューサーに比べたら、私とプロデューサーさんの付き合いは浅いのだから、同じようにいかなくておかしくない。
それでも、この二人のような関係になれるとは、想像も出来なかった。
「そういえば、ほたるちゃんはお仕事決まってるの?」
裕美ちゃんの言葉に、私はバツが悪くなった。
「えっと……私はまだ……」
「ほたるちゃんは来たばっかりだからね。そこはあいつの腕の見せ所さ」
「あいつって、ほたるちゃんのプロデューサーのこと?」
「ああ……プロデューサーが二人はややこしいか」
ムー、と腕を組んでプロデューサーさんはワザとらしく唸ったけど。
「そうだ。アタシは関ちゃんのプロデューサーだから、関ちゃんプロデューサーって呼んでよ」
彼女の提案は、私としては分かりやすいし納得も出来たのだけど、裕美ちゃんは呆れていた。
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