26:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:29:24.27 ID:S8sM1lda0
「えっ」
「トレーナーさんが急に用事で来れなくなって。ほら」
彼女はスマホを操作して、私に差し出してくる。レッスン、緊急中止のお知らせ。
「私……見てなかったです」
本当に緊急で、時間は三十分前。
その時間には、すでにレッスンルームについていた。
そしてスマホは更衣室のロッカーの中だった。どう頑張っても、見れるわけがない。
せっかく早く来れたのに……。落ち込んでいた私に、彼女は言った。
「ねえ、良かったら私と、一緒に自主レッスンしない?」
「いいんですか?」
「うん、私もやる気で来たんだけど、一人だとなんだか不安で。いいかな?」
「……はい、もちろんです」
「良かった。私、関裕美。貴方は?」
「白菊……ほたるです」
「よろしくね、ほたるちゃん」
彼女の顔に、ハイビスカスのような素敵な笑顔の花が咲いた。
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