11:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 22:59:47.09 ID:S8sM1lda0
(大丈夫、大丈夫)
「白菊ほたるちゃんですよね」
私は我に返ると、おさげの女性は胸元に書類を抱きながら私の顔を覗き込んでいた。
「私はアシスタントをしている千川ちひろです。これからよろしくね」
「は、はい。白菊ほたるです……よろしくおねがいします」
「固くならなくていいですよ。私は気楽に読んでください。ちひろさんとか、ちっひーとか」
「は、はい……」
「なんなら……ちひりん、でもいいですよ?」
一指し指を唇に添えて、おどける様に微笑んだ。私の気を紛らわすための冗談なのだろう。私も自然と頬が緩んだ。
やがて、プロデューサーさんが戻ってきた。その顔には、明らかな不満が浮かんでいた……いや、怒りかもしれない。
プロデューサーさんはちひろさんを呼び寄せると、また小声で話し始めた。
先ほどより離れていて、今度は声が聞こえなかった。
ちひろさんはまだ会話を続けたかったようだが、プロデューサーはこちらに戻ってきた。困ったような、作り笑い。
「ゴメン、ほたるちゃん。担当プロデューサーと会うの、また次の機会でいいかな?」
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