10:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 22:58:46.41 ID:S8sM1lda0
「そっか……うーん」
判断しかねるようで、廊下で足を止めたまま唸っていたプロデューサーさん。
なにがあったんですか。私はそう聞こうとして。
「どうしたんですか?」
声の方に見ると、緑色のスーツを着て、おさげの女性が不思議そうにこちらに目を向けていた。
「ちひろさん、いいところに」
プロデューサーさんは、その女性の元まで行くと話し出した。
「ちょっと、あいつのことで面倒が起きて」
「あの人にですか?」
「様子を見たいから、ほたるちゃんのことお願いしていい?」
小声だったけど、その時の廊下はとても静かで、私の耳にも会話が聞こえてきた。
やっぱりなにかトラブルが起きたんだ。それだけははっきりとわかった。
「ごめんねほたるちゃん。ちょっと待っててね」
そう言い残すと、彼女は私とおさげの女性を残して立ち去った。
怒ったような早足が、私の心をますますざわつかせた。
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