100:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 01:26:06.14 ID:w6V3e5/y0
私は、急にこらえきれなくなった。その場でしゃがみこんで、両手を手で覆って。
「ほたるちゃん?!」
驚いた裕美ちゃんが私の傍にしゃがみこんで、背中をさすってくれる。
「どうしたの? 気分悪くなったの?」
「違うの……違うの、裕美ちゃん……」
プロデューサーさんのいろんな全てが、すとんと腑に落ちて。
廊下の傍に私は座り込んだ。それでも涙は暫く止まることがなくて。
「ほたるん、大丈夫か」
千鶴ちゃんが呼んだのだろうか、いつの間にか関ちゃんプロデューサーが私の傍に屈みこんでいた。
「どうかしたのか」
「違うんです……ただ……前のプロデューサーさんを思い出して……」
関ちゃんプロデューサーが、私を優しく抱きしめる。
「辛かったよな、ほたるん。あいつのわがままに振り回されて」
私は胸の中でゆっくりと首を振った。
「違うんです……そうじゃなくて……ただ、悲しくて……」
「どんな理由があったって、アイドルを悲しませるならプロデューサー失格だよ」
「そんな言い方……しないであげてください」
私は感謝の気持ちを込めながら、ゆっくりと関ちゃんプロデューサーの体を引き離す。
「だって……どうしようもない時ってありますから……受け止めきれなくなったなら……逃げるのは悪いことじゃないです……」
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