ティオナ「アルゴノゥト君……食べていい?」ベル「ダ、ダメですよっ!!」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/11(土) 22:29:07.20 ID:6RuttCED0
ベル「とにかく事情を説明してください!」

ティオナ「あははー。いきなりごめんねー」

薄暗いダンジョンにこだまする、ベルの糾弾。
しかし、ティオナはどこ吹く風。誤魔化した。
まさか自分の感情の正体を知る為とは言えず。
とりあえず謝罪をするとベルはため息を吐き。

ベル「まあ、ティオナさんにはこれまで沢山お世話になっているので、とやかく言いません」

ティオナ「お! さっすが、アルゴノゥト君!」

ベル「ですが、ダンジョンに潜るのでしたら、装備くらいは整えさせてください。だって僕はいま、護身用のナイフしか持っていないんですよ? もしも何かあったらどうするんですか」

着の身着のまま連れ出されたベルは丸腰だ。
一応、護身用のナイフは持って来てあるが、神様のナイフはおろか、防具や、ポーションなどの回復アイテムはひとつも用意していない。
それなのに、更に軽装のティオナは笑って。

ティオナ「へーきへーき! あたしなんて手ぶらだよ? そんなに深く潜らないから安心して!」

言葉通り、獲物を持たない素手を振って。
グチャッと、何かが粉砕される音が響き渡る。
目をやると、ゴブリンの頭蓋が砕けていた。
うん。たしかにこの人ならば、平気そうだ。

ベル「僕はあなたよりも弱いんですよ?」

ティオナ「アルゴノゥト君なら大丈夫!」

根拠不明の太鼓判。完全に買いかぶっている。
それでも何故か、自信満々に言い切られると。
その期待に応えなければとそう思ってしまう。

ベル「わかりました。探索に付き合います」

ティオナ「ありがとね、アルゴノゥト君!」

僕は、この人の天真爛漫な笑顔に、弱かった。


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