46: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/08/10(金) 00:24:36.32 ID:OipDTOFK0
○
そろそろ最終電車の時間だから、ということで今日の会はお開きとなる。
いつもどおり、お会計を勝手に済ませてしまおうとする彼を止め、金額の半分を無理矢理押し付けた。
駅まではわざと人通りの少ない道を選んだ。
「その、なんだっけ。もしも私が本当にお店を出すとして」
「出すでしょ? 凛は一度言い出すと聞かないし」
何言ってんの、と笑われてしまう。
今日の少しの会話だけで、私のまだぼんやりとしていた目標が急速に形を持ち始めていることは確かだった。
「それは、そうかもしれないけど」
「かもしれないけど?」
「なんでそこまでして助けてくれるのかな、って思って」
「なんでって、そりゃあ……なぁ?」
なぁ、と言われてもわからないものはわからない。
「凛が引退してから気付いたんだけどな」
人差し指で頬をなぞりながら、彼は言う。
「凛といる時間が結構……いや、めちゃくちゃ好きだったみたいなんだよ」
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