渋谷凛「前職アイドル、そしていま」
1- 20
41: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/08/10(金) 00:21:52.28 ID:OipDTOFK0



運ばれてくる料理が一段落するまでに、彼が四度、私が三度のドリンクの追加をしたことで、お互い気持ちよく酔いが回りはじめていた。

「ここ来る前。今日会ったとき、私が周りを気にしないで街を歩くのやってみたかったー、って言ったでしょ」

「うん」

「そしたらなんかちょっと間があったよね。あれ、なんだったの?」

「あー。その、ちょっと申し訳なく思っちゃって」

「申し訳ない?」

「やっぱりさ、アイドルになって、いいことばかりじゃないよなぁ、って」

「……確かに嫌なこともなかったとは言わないけどさ、私はアイドルだったことを後悔したことなんてないからね」

私の言葉に彼は何も返さず、グラスの中のお酒をぐいっと空けた。

「凛はお酒入ると饒舌になるというか、思考が漏れ始めるよな」

彼は自分のお箸で私を指して、おどけて見せる。

その目が潤んでるのを、私は見逃さなかった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
54Res/42.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice