42: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/08/10(金) 00:22:28.00 ID:OipDTOFK0
○
既に空になったグラスをくるくると回すと、中の氷がからからと音を立てる。
お店に入ってからもう既に結構経っていたし、お互いそこそこ酔いが回っているみたいだった。
「凛はまだ実家の手伝いしながら生活してる感じなの」
「うん。一応、目標みたいなものはあるにはあるんだけど」
それぞれの現状について話す流れで、ぽろっと出てしまった。
しまった、と思った時にはもう遅い。
彼に「目標?」と聞かれてしまった。
はぐらかすわけにもいかないか。
「うん。実はさ、自分のお店……ゆくゆくは持ちたいな、って」
「…………詳しく聞いてもいい?」
目の前を見ると、彼はしゃっきり姿勢を立て直して、鞄からペンとメモ帳を取り出していた。
「え、何?」
びっくりして思わず聞いてしまう。
「だから、どこまで考えてるか。例えばお店はどうするの? 建てるの? それともテナントで?」
「開店にかかる費用、試算してみた?」
「技術に関しては凛なら何の問題もないと思うけど、それ以外。例えば仕入れとか、ノウハウはご両親から学んだ?」
不用意な私の一言によって、怒涛の質問ラッシュに襲われることになったしまった。
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