巌窟王「これは、嘘で世界を変える物語だ」 アンジー「あなたの名前は――」
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514:「んじゃあ後はカルデアに任せるにゃー」「あ……イベント終了?」  ◆SxyAboWqdc[saga]
2019/07/22(月) 21:56:26.35 ID:FJhmeAfn0
巌窟王「……」

巌窟王「アンジー。俺は貴様への第一印象が最悪だった」

アンジー「……」

巌窟王「嫌いな知り合いに似ていてな……いや、あのころの貴様はそれより酷かった。何もかもが『神様の言う通り』なのだからな」

巌窟王「自分の意思がどこにもない」

アンジー「今は?」

巌窟王「もう何回も言ったはずだぞ。今の貴様は俺のマスターとして相応しい」

巌窟王「お前はお前の意思で怒れる。泣ける。憎悪できる。直近だと主にその対象は最原だったが」

最原「……お腹痛い」ズーン

茶柱「黙ってください」シーッ

巌窟王「アンジー。どこまで行ってもサーヴァントは『使い魔』だ。マスターに意思が無ければ始まらない」

巌窟王「ましてや、本来なら聖杯戦争を戦い抜くのが主な仕事だぞ。『願い』も持たない人形には務まらない」

巌窟王「……ああ、違う。そうじゃない。今の言い方は遠回しすぎた」

アンジー「……?」

巌窟王「意思を持て。願いを持て。貴様には才能があるのだから、それだけで世界は美しく色付く」

巌窟王「俺が俺の進路で復讐を推したのは……貴様が心の底ではそれを望んでいると思ったからだ」

アンジー「……ちが……うよ……!」

巌窟王「なに?」

アンジー「アンジーは……アンジーはね……お前の意思を汲みたかった……!」

巌窟王「……」

アンジー「お前が何者だとかはもう本当にどうでもよくって! アンジーは! アンジーの意思で! お前と一緒に!」

アンジー「別れがすぐそこだったから、同じ道を歩んでいたかったんだよ!」

アンジー「だって今まで楽しかったんだもん! だから、これからだって楽しくしたいんだよ!」

アンジー「一緒が……楽しいってアンジーが……」ズビッ

アンジー「それがアンジーの『願い』だったから!」

巌窟王「……」

巌窟王(俺が見たかったもの。俺が作りたかったもの。今、それが目の前にある)

巌窟王(俺は夜長アンジーが心底何かを願う姿を見たかった)

巌窟王「……そろそろだな。充分だろう」ゴオッ

アンジー「ッ!」









巌窟王「お別れだ。アンジー」


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