【安価】女子高生「夢から覚めたら見知らぬ場所にいた」
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9: ◆QfuQVLUstziF[saga]
2018/08/06(月) 14:21:42.91 ID:w1pCU6EP0
雑木林を抜け、灰色の荒地を越え、山を登り、谷を渡り、辿り着いた湖の孤島。

小さな修道院が建っていた。

七海「わぁ……!」

クリーム色の外壁に、蔦が絡みついている。

もう何百年も経っていそうな、年季の入った修道院だ。

遠くからだと煙突のように見えた物は、ステンドグラスの屋根だった。

喋るキノコ「ここが僕達の最後の砦。ヤ・オヤ修道院。昔は500玉のキャベツがアンティオキア神学を学んでいたけどね」

七海「学んで『いた』?」

なすび「殺されたんだよ、全員……!」

なすびさんが強く唇を噛みしめる。

キノコさんの瞳にも、翳が射した。

喋るキノコ「その話はやめるんだ、なすび。宴の席に、血はいらない」

なすび「クッ……!」

七海「あの、気に障ったのなら謝ります」

なすび「貴様の謝罪に何の価値があんだよ」

なすび「何も知らねぇくせに……ふざけんな」

七海「あ、なすびさん……!」

たかが野菜なのに、胸が締めつけられる。

なすびさんの表情が、とても寂しそうだったから。とても悲しそうだったから。

あの人は、ずっと孤独に生きてきたんだ。

キノコさんのように頼れる人はいても、真に心を開いて話せるパートナーが、いなかったんだ。



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