川島瑞樹「ミュージック・アワー」
1- 20
44: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:20:16.07 ID:Ai+XpKnp0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

コンサート会場は瑞樹のアイドルキャリア史上、最大規模だった。
座席数は17,000。主催者は後悔した。チケットは販売開始数時間で完売した。

主催者側も知らなかったのだ。川島瑞樹の魅力を。だが、これから知ることになる。

瑞樹はステージの中心に立った。
じぶんひとりの力ではない。だから、こわくない。

衣装は、夏空のように青いドレス。フリルとリボンが愛らしく、瑞樹をいろどっている。

「みんなー!」

声が、のびやかに会場に広がる。その声に応えるように歓声が上がり、アリーナ全体がゆれる。

「今日も、最高のLIVEにするから!!」

形式ばったスピーチなどなく、音楽が始まった。

テープを早回しするような導入。
そこにベースが響き、トランペットがメロディを奏でる。

瑞樹の身体が、自然に演奏とシンクロする。

ひとりじゃない。

歌が澄みわたる。会場の奥の、奥まで。
サイリウムのやさしい光が瑞樹をきらめかせる。

その髪を、瞳を。ほのかにあかくなった頰も、詞をつむぐ唇も。

観客達は、心を奪われた。川島瑞樹というアイドルに。
瑞樹も、夢中になった。

もっと。もっと。

歌声が、ステージを中心に広がっていく。
レッスンよりも、ずっと綺麗なかたちで。

ステップもかろやかに、なめらかに、スケートリンクを滑るように。
自分でもおどろいてしまうくらい、身体がよく動く。

恋してる。このステージにある、すべてに。

瑞樹はキスを投げた。パフォーマンスではない。
観客席から、言葉にならない声が上がった。

もうひとりの私に Good Bye……
明日だってうまくいくから、Good Night……




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
54Res/76.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice