41: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:18:03.50 ID:Ai+XpKnp0
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夏のこもれびが枝葉の間をぬって、肌を焦がす頃。
LIVEのパフォーマンスも安定し、好意的な手紙がふえた。瑞樹は、その中の一通にあえて目を通さずに、毎日を過ごした。
最近は写真撮影や告知のためのバラエティなどの仕事を避けている。
プロジェクト最後のコンサートを確実に成功させるために。
パフォーマンスは、2曲。2曲目は最近書き上がったばかりだ。
その2曲目の披露は、コンサートが最初なのだ。LIVEで身体を慣らすことができない。
否が応でも、レッスンに集中する必要がある。
瑞樹の動きは端から見ても、精彩を欠いていた。
練習期間が短く、焦っているということもある。だが、そればかりではない。
トレーナーは率直に、瑞樹に尋ねた。
「何を迷っているんです?」
「人生」
瑞樹の返事に、トレーナーは面食らった。
少なくとも自分ではどうしようもない。相手は自分より五年も長く生きていて、より多くのことを知った上で、悩んでいる。
プロデューサーがどうにかできる問題でもない。
第一、彼女の人生を真に真剣に考えられるのは彼女自身か、家族しかいない。
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