352:名無しNIPPER[saga sage]
2020/02/14(金) 15:47:59.63 ID:l1m2r1O+o
―― 報瀬の個室
報瀬「ふぅ……落ち着いた……」
栞奈「もう大丈夫みたいだね」
報瀬「やっぱり食べすぎだったみたい。薬、ありがとう」
栞奈「いいよ、これくらい。たまたま持ってただけだし」
ガタン
ゴトン
報瀬「……」
栞奈「一人でゆっくりしたいよね、それじゃ私はこれで――」
報瀬「栞奈、無理してない?」
栞奈「え、え……? 無理?」
報瀬「うーん……水、もうちょっと……ちょうだい」
栞奈「あと……これくらいしかないけど……どうぞ?」
報瀬「うん、ありがとう……」
栞奈「……」
報瀬「ごく……ごく……」
栞奈「……」
報瀬「……ふぅ。……それで、無理してない?」
栞奈「どうして……いきなり?」
報瀬「誰かに似てるなって思ったら、日向だった」
栞奈「?」
報瀬「なにかあるのになんでもないって顔して、
無理して誤魔化して何も無かったってことにしようとしてた」
栞奈「……」
報瀬「私が向き合おうとしたのに、ね」
栞奈「私と日向は違うよ」
報瀬「うん」
栞奈「無理か……、してるのかな」
報瀬「分からないの?」
栞奈「まぁね。……私さ、人に深入りしたことも、されたこともないんだよね」
報瀬「……」
栞奈「この列車に乗ってさ……あぁ、私ってこんなヤツだったのかぁって思ったりして」
報瀬「……」
栞奈「いつもと違う自分だってのは分かってはいるんだけど……無理してるのかは分からない」
報瀬「いつもの栞奈ってどんな風なの」
栞奈「どんなだと思う?」
報瀬「今の栞奈しか見てないから分からない」
栞奈「教室の隅でさ、カリカリと勉強ばっかしてる。がり勉タイプってヤツ?」
報瀬「……」
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