316:名無しNIPPER[saga sage]
2020/01/17(金) 16:35:45.78 ID:KOzKQsUKo
車掌「玉木マリさんは、どちらまで行かれるか決まりましたか?」
マリ「……それが、悩んでて」
車掌「最終日の前夜、その時にでもヴェガのお話ししましょう」
マリ「本当ですか?」
車掌「はい。ただの昔話ですが」
マリ「分かりました、今日はもう寝ます!」ムンッ
料理長「気合が入って余計眠れなさそうだけど、大丈夫か……?」
マリ「みこっちゃん、どうする?」
みこと「うん、私も……眠たいから」
マリ「後片付けするからもうちょっと待ってて」
料理長「いいよいいよ、私がやるから」
マリ「あ、ありがとうございます。それじゃ、お言葉に甘えて……。行こ、みこっちゃん」
みこと「うん」
車掌「車両からは戻れませんので、一度外へ出てから寝台車へお戻りください」
マリ「はーい。おやすみなさい〜」
みこと「おやすみなさい」ペコリ
料理長「お休み」
秋槻「また明日ね」
車掌「おやすみなさい」
スタスタ...
「明日も頑張ろう。その為にも頑張って寝よう、みこっちゃん!」
「うん」
料理長「……若いな」
車掌「若いですね……」
秋槻「あはは……」
料理長「でも、よく電話を貸したよね。信用してるのは分かるけど、理由が知りたいね」
車掌「そうですね。プライベートに触れる可能性が高いのに」
秋槻「憧れですかね」
料理長「……憧れ?」
秋槻「俺があの子たちと同じくらいの時、同じことを思っても実行できませんでしたから」
車掌「……」
秋槻「南極ですよ、南極……。世界が違う。違いすぎる……。
海の向こうの他所の国ではない、世界の果ての場所」
料理長「ゴク……、ふぅぅ……いい酒だな、これ」
秋槻「俺があの子たちに憧れるように、あの子もまた、あの子たちに憧れているんです」
車掌「……そうですね。身近にそんな人が居たら追いかけたくなりますね」
秋槻「だから、少しでも応援したいって思うんです。俺が出来なかったことを、あの子にも」
料理長「憧れ、ね」
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