606: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/10/12(土) 01:41:51.14 ID:Oe8uISGDO
そうして富士さんは新棲姫さんの頭に軽く手を添えて目を閉じる
富士さんの周囲に不思議な力が満ちるのを感じる。一瞬だけ富士さんの背後に巨大な何かのシルエットが見えたような気がした
新棲姫さんの身体が淡い光を帯び、それと同時にモニター向こうの新棲姫さんの前に同じ姿が現れる
最初は驚いていたあちらの新棲姫さんだったがさすがは限りなく近い魂、すぐにそれが自分だと察したようだった
新棲姫「今からこれまであった齟齬を全て埋める。今のワタシの全てを伝える。別人などと欠片も思えないように」
そして新棲姫さんは話し出す。それはもう本当に全てだった。秘密にしたいだろうと思える内容すら全て
最後には新棲姫さんは泣きながら、それでも必死に、漣さんの為に、限られた時間の中で自分の全てを伝えきった
【そろそろ…】
新棲姫「ああ…なあワタシ…漣の事…頼んだ」
もう一人のとは言わなかった
あちらの新棲姫さんが頷く前で投影された新棲姫さんの姿が消えていく。その顔には決意のようなものがあった
新棲姫「…ぅ、ぐ…」
【お疲れ様…頑張ったわね…】
まだ泣いている新棲姫さんを抱き締めて背中を擦る富士さん
これで彼女が抱えていた重荷は今やっと消えたのだろうと思う
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