472: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/06/22(土) 17:10:36.38 ID:rEPY++zDO
「――っ!?」
慌てて振り向くと奥の襖が開いていた。開いた音も聞こえなかった。そしてそこに漣さんが立っていた
「漣さん…!待ってたって、まさか…」
ゆらり、と漣さんが部屋へ入ってくる
漣「気付いてましたよ、あいつが生きている事には。以前見ていましたよね、その場面を」
見られていた…?あの一瞬を!?
漣「ほんの僅かな時間であろうと憎い仇の姿や声を逃したりはしませんよ」
「知っていて今まで黙っていたんですか…?」
漣「そうですね。チャンスを伺っていました。すぐにでもあいつを殺しに行きたかった。だけどいきなり戻った所で整備士さんの居場所を知らないし、聞いた所で簡単には教えてくれません」
だから待つ事にしたんですと、漣さんは無表情のまま言う
漣「重巡は私が戻る事を望んでいた。その方法を探していずれは整備士さんに接触する可能性は高いと思いました、だから精神世界に来た時もあえて無視をした」
「…」
漣「あの場に私が戻ればあいつを探す手間も省ける…ようやく…ようやく…!」
それまで無表情だった漣さんの顔が狂喜に歪んでいく、そこに――
【漣…】
ギクリと、はっきり判るくらいに漣さんの肩が揺れた。そして苦し気にその声の主、富士さんの方を見る
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