392: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/05/18(土) 06:00:55.44 ID:ksNFMuDDO
漣「…前にも思ったけど、ずいぶん気楽にしているようですね…朝潮…」
暗い目で私を見詰めてくる漣さん。もう売り言葉に買い言葉にならないよう気を付けないと…
「前にも言いましたが…私はもう関わりたくても関われないんです。だからといって幽霊らしく暗くしていても仕方がないので…気に障ったなら謝ります」
漣「別に…怒ってる訳じゃ…。私の知ってるイメージとちょっと違うから…」
『まあこれが本来の朝ちゃんなんだよきっと。色々なしがらみから解き放たれた』
漣「しがらみ…」
今や私よりもむしろ幽霊らしい雰囲気で漣さんは何かを考え込んでいる。今の彼女が考える事はろくな事じゃない気がする
「何度でも言いますが…死んで楽になる事なんてありませんよ。一時の苦しみから逃れた先に待っているのは永遠の苦しみと後悔です」
『その苦しみからも逃れたいならもう成仏して生まれ変わるしかない。けどね、未練や執着、恨みがある魂はそう簡単には成仏すら出来ないよ』
漣「生きてても苦しい…死んでも苦しい…。じゃあこの世界って何なんですか…」
すがるような目を向け私達に問いかける。彼女は答えを求めている、進むか止まるか判断しかねている
『あたしにもそれはわからない。存在してしまった以上腹を括るしかない。だって最後の最後には自分を救えるのは自分しか居ないんだ。どれだけ手を引いてもらっても歩き出すのは自分なんだから』
漣「…」
漣さんはそれを聞いてまた何かを考え込んでいる。私達の言葉はどこまで届いているのだろうか…
900Res/720.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20