385: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/05/09(木) 05:55:07.02 ID:P2dcfLCDO
ブツン
「はぁっ…はぁ…」
私は後ろを振り向いた。僅かに開いた襖の向こうは暗い部屋。たぶん…おそらく…変わりは無いように思える
いや…そもそも彼女は眠っているのだ、見られたはずは無い、聞かれたはずは無い。呼ばれた声に返事をする慌てた声、その顔は…
「あいつは死んだはずじゃ…いやそもそも別人だったのかも…」
『別人ではないみたいだよ』
モニターは今さっき私が慌てて消したが、Y子さんは目を細めて何か別のものを視ているようだった
『あたし自身はそのテレビが無くても色々視られるからね。まあ疲れるから普段あんまりしないけど』
「なんであいつが整備士さんと一緒に居るんですか…」
間違ってもその名前はここでは出せない。話自体も出来たら避けたいくらいだ。…だけど知っておくべきは多分私だ。だって仲間なのだから
『出来損ないとして処分されたものをあの整備士が拾ってそこに復活したらしいよ。どうやら早霜みたいに色々弄られているようだね。ずいぶんまあ…これまた別人だねぇ…』
Y子さんの話ではあいつはもうほとんど無力化されて性格も善良なものになっているらしい。今までした事を後悔している旨の発言までしていたのだという
「…は、ははっ…」
渇いた笑いが出た。ついつい生前の事を思い出してしまう
後悔している?それで?あいつが私にした仕打ちで私の人生はめちゃくちゃになった。反省している?だから?それで私に何を返してくれる?
何も出来ないくせに
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