314: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/04/16(火) 05:33:14.51 ID:t/ppvMKDO
「どうして…」
ふと背後から声がした
私が振り向くといつの間にか漣さんがすぐ後ろに立っていた
漣「どうして…」
ただそれだけを繰り返す。つまり何より大切な存在を失ってどうして生きていこうと思えるのだと。そう彼女は言っているのだ
「約束…したから…?でもそれだけではありませんね…。きっとあの彼の顔があまりにも幸せそうだったからでしょうか…」
漣「幸せ…?だって好きな人と居られなくなって…死んでしまうのに何が幸せだと…」
「短い間でも精一杯に後悔しないようにすごせた証だと思います。全く無いのかはさすがに判りませんが、少なくとも彼は幸せを感じながら逝ったのだと私は思います」
漣「…」
「何よりも彼は後を追う事を望んでいない。大切だからこそ生きてほしいと、そう願っての約束なのだと思います」
漣「………あの子も」
「ええ…きっと同じように願っている筈です」
大切だからこそ
自分の後を追ってほしいなどと願うようなら本当の意味で相手を思いやってなどいない。そんな事は私でも解る
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