269: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/04/08(月) 06:12:01.59 ID:YeTediuDO
「あのテレビを見せたりは…」
【今は止めておきなさい、今のこの子には毒にしかならないわ】
「そうですよね…あ、じゃああの…潜水新棲姫の魂をここに連れてくれば…」
【…確かにあの深海棲艦も陸の上で亡くなった。もしかしたら来ているかもしれないけれど…】
と、富士さんが窓の外を見る。その先の三途の川のある辺りに夥しい数の死者の群
【あの中から探してみる?居るかどうかも解らない小さな女の子を】
「…富士さんが呼んだりは出来ないんですか?」
【私は深海棲艦に直接の干渉は出来ない、それにあの深海棲艦が未練を持って留まっている保証も無いわ。既にもう渡ってしまった可能性すらある】
「未練になるものなら居るじゃないですか、ここに」
【自ら死地に赴いたというのなら未練を残さない覚悟を決めていた筈よ。自分がいつまでも留まっていたら残された者は前に進めない、そう考えていてもおかしくは無いわね…】
「それじゃあ…救われないじゃないですか…!」
【落ち着きなさい…私も貴女と同じ気持ちよ…】
人差し指を立て静かにと言いながら富士さんは私を促し居間に戻る。振り返って見た初期艦さんは死んだように…眠り続けていた
900Res/720.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20