268: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/04/08(月) 06:07:07.28 ID:YeTediuDO
>>264から
「は…?え…?何でここに初期艦さんが?だってあそこに…」
私はテレビに映る初期艦さんを見る。確かに居る…じゃあこっちは…
【落ち着きなさい、説明はちゃんとするからまずはこの子を奥の部屋に】
そう言って富士さんが初期艦さんを抱えて…と言っても背丈は富士さんの方が僅かに低いのでまるで抱き付いて引きずるようになっている
「あ…はい!じゃあこっちに」
おかしい…初期艦さんの目は開いてはいるのにまるで私を見ていない。というか目に光が無い
私は富士さんと二人で奥の部屋に初期艦さんを連れていき布団を敷く。その間も周りの状況に反応を示さない
布団を敷き終わりそこに初期艦さんを横たえると富士さんはスッと彼女の額に触れる。すると目を閉じて寝息を立て始めた
【ひとまずはこれで安心ね…】
そのまま軽く額を指先で撫でながら話し出した
駆逐艦漣は一度死んだのだと
1◇
「精神の自殺…そんな事が可能なんですか…?」
【普通の人はそんな事は簡単には出来ないわ。だけどこの子はちょっと違う。どうやら何度も精神世界で活動した経験があるから出来たのでしょうね…】
「…自殺なんて彼女のイメージからかけ離れすぎです。何て馬鹿な事を…人の事は言えませんけど」
【…それがそうでも無さそうなのよね】
「どういう事ですか?」
【一体何があったのかは見ていたわね?…それによってこの子の心はバラバラに砕け散る寸前だった】
富士さんが言うには初期艦さんは無意識に自己防衛した結果自らの精神を殺した、つまり活動を停止させたのだと
あのまま外部の刺激に晒され続ければひび割れた彼女の心はそれに耐えられずに砕け散って最終的に発狂、周りの全てを傷付けていたでしょうと
【…この子には覚悟する時間さえ与えられなかった…むしろ希望を見せられていた…あんまりだとは思わない?】
富士さんは悲しげにまた初期艦さんの額を撫でる
【だから私がこの子の魂を預かり、ここに連れてきた。世界から隔絶されたここなら余計な刺激も無いから】
「これから彼女はどうなるんでしょうか…」
【…解らないわ…この子次第としか言えない。再び立ち上がれるのか、ずっとここでこのままなのか…】
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