80:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/03(金) 15:14:43.98 ID:uC+MDGI60
「そう。それで、まさかその心証だけで?」
「いや、それより先に気になっていたのは力を貸してと頼まれたあたりだな」
「なにか……変なこと言ったっけ」
「『私が打ってチャンピオンを打ち負かす』だな。清澄の強さは久自身がよくわかっているだろう。なんであそこで『私が』とついたのかは少し気になった」
あれでか……。冷や汗が出る。ゆみに助言を求めるのに必要な前提条件として言ったんだけど、裏目った。
「あと、たしか清澄は明日の三時頃に新幹線の予約をしていたはずだ。それで練習試合というのもちょっと性急な気もしてたが……まあ決定打はさっきの久の反応だよ」
「なるほどねぇ。あれ初めから鎌かけだったとは、さすがゆみ」
「そのつもりはなかったよ。結果としてそうなったんだ、いや本当に」
「あはっ、言ってみただけよ。……でも、うん。ごめんなさい、お察しのとおり練習試合なんてないわ」
「今度は何を企ててるのか知らないが、作り話にしてはお粗末だな。久らしくもない」
「そうかもねー……ちょっと焦っちゃったかしら。でもゆみも、本当は私のしようとしてること知ってるでしょ」
みゃーあ……
後ろ側から、静寂を嫌うように猫の鳴き声がする。
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