79:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/03(金) 15:12:48.37 ID:uC+MDGI60
気兼ねしたのか、取り繕ったような笑顔をゆみが見せる。
「いやすまない、なにも無理にってわけではないんだ。来年は一応また敵になるわけだしな」
「うん、ごめんね」
「……なあ久。変なことを聞くかもしれないが」
「ん、なに?」
「この練習試合について、話は本当に今ので全部なのか?」
ドキリとして、片足が下がってしまう。まさか今のやり取りで偽りがあることを看破してきたというのか。
いや、ゆみが言ったのは『全部なのか』だ。練習試合というのは信じていてくれたんだろう。
が、気付くのが一瞬遅かったようだ。ゆみが浅く腕を組む。
「その反応、やはりなにかあるのか」
「……どうしてそう思ったの」
「鶴賀も練習にという話、私の中の竹井久像だとあんなに躊躇わない。もっと早い段階でイエスならイエス、ノーならノーをつきつけてくる。君はもっとあっけらかんとした性格だ」
「あら誉め言葉? 買い被りよ」
「良くも悪くも、だ」
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