32:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 16:15:12.60 ID:YwSoJMOz0
「まぁなんにしてもこれで真っ直ぐ戻れるわね。そうだ!須賀くんお手製のクッキー、何枚か残しといてもらってるのよ」
「京ちゃんのですか?やった!」
「須賀くん、もう咲にも女子力で勝ってるんじゃないかしら?このインハイ中結構調理場借りてたみたいだし」
「そ、そんなことないですよ!私だってクッキーくらい焼けますし」
おお、咲が食い気味に言い返してくる。けっこう珍しいかもしれない。
「それに京ちゃんはあれでも運動得意ですから、むしろ男子力のほうがあります」
何だかツッコミの方向がズレてる気がするんだけれど……、というか男子力ってなんだろうか。
「あ、そういう話なら部長だって……」
「私? いいのよ、私は女子力なんt」
「結構男子力も高いですよね」
そっちかい。
六分咲きくらいの笑顔で言ってる、そのあたり悪気はなくってむしろ褒め言葉のつもりなんでしょうけど。
「いやー、それ咲に言われると……ちょっとショックかも」
「えっ!ごめんなさい……」
「いいの、悪い意味じゃないのはわかってる」
さっきと打って変わって、あたふたする咲をなだめながら言う。
普段からあんな振る舞いしてちゃ当たり前の評なんだろう。
自分で贔屓目に見てもずぼらで素行もよくないと思うし、お陰さまで「かわいい」なんて評されたことは過去に一、二回しか無い。
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