123:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 16:49:26.54 ID:xYguyNQm0
和には多くは言っていない。この子の真価は確率に従順であることで発揮される。あまりに手心を加えるとかえって悪影響を生むんだ。
一つだけ頼んだことも、和なら『私はいつもどおり打つだけです』みたいなスタンスを見せるだけだと思っていた。
「そうでしょうか? 私としては勝つためのことならちゃんと聞いていると思うんですが……。部長に任せて悪くなったことなんて、今までないと思っていますし」
「あら。嬉しいことを言ってくれるじゃない。」
思い返してみればぬいぐるみを持ってテレビに映ったり、厳しそうな家のわりには学生主体の合宿に参加したりと、オカルトが絡まなければたしかに結構任せてくれてるのかもしれない。そして今回も。
そうだ、ならばやはりこれは言っておかないといけない。
「皆聞いて、まこもゆみも。本当は昨晩話した段階でちゃんと言っておくべきだったけど」
全国大会に優勝したことで、後輩たちも前よりついてきてくれるようになったのかもしれない。でも、そこにつけこんでちゃダメだ。
「こんな勝負に巻き込んでごめんなさい。本当に悪いと思ってる」
今回の勝負は伝統と誉れのある大会なんかじゃない。賭け事、それも苦肉の策として行うものだ。それなのに肝要の対局に私は出ない。
「だから……あの、なんだったら今からでも私が代わるからね」
「久? なにを言ってる」
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