照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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111:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 16:04:31.36 ID:xYguyNQm0
「そうね。じゃあ手始めにプランA、優希が私と卓に入る案から。宮永照が東一局で相手の打ち筋を見る能力なら、そのアトバンテージは同じ相手と戦えば戦うほど薄れていくことになる。その点、優希は一度戦ってるから最適なはず」

「あー、なるほどっすね」

一方から納得と感心の入り交じったような声が上がる。しかし他方、ゆみはそうはいかなかったらしく思案したさまで唸っている。

「明日、片岡さんの調子はどうなりそうなんだ?」

「優希の……どういうこと?」

「昨日までと同じくらいってことなのか、さっき観てた決勝と同じくらいなのか≠セよ」

ここ三日ほど、鶴賀と龍門渕の二校とは個人戦の調整がてら一緒に練習をしていた。ちなみに、個人戦の県代表がいる学校同士は練習試合を組めないため風越は呼べなかった。どちらか片方は風越と練習するのはどうかと持ちかけはしたのだが、美穂子本人に『うちは人数も多いし必要ない、風越の皆の力で戦いたい』的な理由で断られてしまった。

その間、優希も遊んでいたわけではなく新たなやり口を会得したのだが……今、ゆみが言いたいのは『団体決勝での異様な強さは意図的に出せるのか』ということだろう。


麻雀という競技は運の要素が強いというのはよく言われるが、実力通りではない結果をもたらす要因はなにもそれだけではない。
例えば緊張や糖分不足、食いタンや責任払いの有無やローカルの不馴れなルール、細かいことを言うなら自分の意識がほんの少し打点の高さに向いた日に、他家三人の意識がたまたま速度に向いていたらその日の自分の和了率は下がる可能性が高いだろう。打ち手がベストを尽くしているつもりでも、それらの要因は人の把握できないレベルで影響する。
そして人に把握できなくても、いや、人が干渉しないからこそマクロな視点で見たときそれらは調子という波となって表れる。


要因はなんであれ、あの日の優希は調子の波の頂点だった。つまりは、

「決勝での優希は絶好調だっただけよ。明日都合よくそれが出せる見込みは薄いと思うわ」


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