112:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 16:07:55.59 ID:xYguyNQm0
「そうか」
「でも、これはゆみも承知のことだろうけど昨日までの特打ちで、優希はさらに強くなってるわよ」
「ああ、わかっているがそれはともかく……じゃあ久、君個人は? なにか対宮永照の打ち方とかあるのか」
「ぶっちゃけ無いわね!」
「いや、自信満々に言われてもな。それじゃあ駄目だろう……」
ゆみが充電コードを抜き、PCのスイッチを押す。スリープ状態だったらしく数秒で起動は済み、なにやらファイルを開きこちらに見せてくる。
「なにこれ?」
「こちらに来てる間、結構暇があったからな。ネットの海から名のある選手の牌譜を集めて整理していた。そしてこれが今年の宮永照の牌譜とデータを纏めたものだ」
その異常さは試合の映像を観ているだけでもわかっているつもりだったけれど、数字で見ると改めて思いしらされる。
[和了率84.56%]
[和了巡目平均6.13巡]
[振込率2.04%]
[和了飜平均3.88飜]
「和了率たっかいわね……」
「振込率も異様に低いし、死角無しって感じっすね」
「ああ。守りが上手いのもあるが、和了率も振込率も地盤になってるのはその和了の早さだよ。宮永照と打つなら高さは二の次で、土俵に立つために求められるのはまず早さ。無策で久が出たら十中八九焼き鳥になると思う」
公園では竹井久像がどうとか言っていたが、ゆみも大概歯に衣着せない。もっとも今はそのほうが助かるが。
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