佐久間まゆ「ネヴァーマインド」
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40: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 08:04:19.95 ID:+QmI8LWq0

「ど、の、へ、や、が、い、い、か、な」

靴を履いたまま、まゆを追い越してプロデューサーは廊下に上がった。

まるで、間抜けな泥棒が他所の家にはいったように。

まゆは玄関で立ちすくんだ。

「あっ、何飲む?

ミネラルウォーターとかお茶とか、紅茶とかあるけど」

プロデューサーはにこやかに尋ねた。まゆのほうを、振り向かず。

まゆは赤色のローファーを脱いで、おそるおそる、素足を床に押し当てた。
喉は渇いている。一滴も残らず、蒸発してしまったように。

「麦茶を、……」

まゆはそう言った。
ここで何もいらない、と言うのもかえって不自然だった。



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