9: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/07/21(土) 02:07:33.04 ID:iF9TJVEt0
――暗い表情をしてない自分の顔を見るのが本当に久しぶりだったことに気がつくのに、すこし時間がかかりました。
おばさんのたくさんの面白い話や、楽しい表情が、気付かないうちに私のおどおどした表情を消してくれていて。
いつも俯いていた顔を、おばさんが上げてくれました。
――私は、自分の外見に、ずっと何も期待をしていませんでした。
だけど私は、そんな私を『かわいい』って思えたんです。
「ほら、言ったとおりだったでしょう?」
してやったりと笑うおばさんに小さくはいと答えてから、私は小さく、鏡の中の自分に笑いかけました。
ああ、私はこんなふうな顔が出来るんだ。
それは秋晴れの空を見上げるような、とても新鮮でさわやかな驚きでした――。
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