68: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 21:03:39.74 ID:TQ5drJ1c0
「……アンチョビさん?」
「お、ぉお、と、戸庭、どうした」
どうしたじゃないよ。こっちが言いたいよ。
目元から腕をどけ言葉を放ったものの、その声は震えている。
赤みの強い頬と、僅かに血管の走る瞳、そしてなにより、両の眼から直線に涙の跡が残っていた。
「……あー」
涙の理由には、察しがついた。
知らない世界へ放り出されて、知らない男の家にいるしかなく、何とか元の世界へ戻ろうにも一向に上手くいかない。
いくら頼もしくとも、戦車道の隊長を務める彼女でも、一人の女子高生だ。
あんこう祭りの件が決定打となったのか、それとも以前から夜中に隠れて泣いていたのか、どちらなのかは判断がつかないが、しかし彼女の辛さはこんな俺でも理解できた。
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