256: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:11:00.79 ID:LvNYVq+e0
ミカが「それで良いのかい」と三度問いかけ、アンチョビが「良いんだ」と答えるのを、数キロ先の出来事のように聞いた。
胸の痛みはあれど、崩壊の物音は聞こえなかった。
静かに、体に染み付いていた色がするすると剥がれ落ちていくように感じた。
257: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:12:24.21 ID:LvNYVq+e0
そういうことを言うなよ。
俺もそれで、瞳に水滴が滲んだ。
誤魔化そうと、ふいに立ち上がってキッチンへと歩いたが、あからさまだからアンチョビにはばればれだろう。
258: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:14:13.68 ID:LvNYVq+e0
2018年4月15日。日曜日。
アンチョビ、引っ越し当日。
「じゃあ、またなっ!」
259: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:15:48.42 ID:LvNYVq+e0
アンチョビが我が家からいなくなる。
しかしよくよく考えてみれば、それは大した事実ではないように思えた。
アンチョビに会いたければ、大洗に行くだけで良い。
260: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:19:09.73 ID:LvNYVq+e0
2018年4月19日。木曜日。
禁酒を始めることにした。
どうにもアンチョビがいなくなって以降、酒ばかり飲んでいて良くない。連日、深酒ばかりだ。
261: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:20:04.07 ID:LvNYVq+e0
2018年4月27日。金曜日。
禁酒というのはさすがに無理なので、週3に減らすことで様子をみようと思う。
我慢もそれはそれで良くない。
262: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:20:53.54 ID:LvNYVq+e0
2018年5月4日。金曜日。
年末年始に帰れなかったので、実家に顔を出した。
結婚はまだかと催促された。
263: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:21:44.31 ID:LvNYVq+e0
2018年6月9日。土曜日。
最近、料理に凝っている。大学以来だ。
アンチョビが我が家に調味料を多く残していったのが功を奏したのかと思う。
264: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:22:59.04 ID:LvNYVq+e0
2018年8月11日。土曜日。
久しぶりにアンチョビと顔を合わせた。
「おーっ! 戸庭ーっ!」
265: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/20(金) 23:24:27.45 ID:LvNYVq+e0
2018年12月3日。月曜日。
うちの会社に、花澤が入社した。
奴も俺と同じく、仕事に忙殺された組だ。
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