16:名無しNIPPER[saga]
2018/07/15(日) 00:46:21.55 ID:68QvvrKK0
「なにかフシギでございますねー」
「まるで世界にライラさんたちだけ取り残されたみたいでございます」
「まるでおとぎ話みたいな設定だね。でも少しさみしいね」
「ではライラさん、寂しくならないように、歌を歌いますですよー」
大きく息を吸って、右手を胸に当てる。一瞬の静寂のあと声が響く。
これまでに聞いたとこのない歌だ。きっとライラさんの故郷の曲なんだろう。
綺麗な月の下、異国の歌を奏でるライラさんはどこか儚くて、本当におとぎ話のお姫様のようだった。
こんなシーンがずっと続くなら、世界に取り残されるのも悪くない。
ライラさんが歌い終えるまで、ゆっくりと歩き続けた。
「……ありがとうございましたです」
「ライラさん、歌上手だね」
「えへへー、ありがとうございます」
さっきまで遠い何処かを見るよな瞳で歌っていた彼女の顔が、またいつものニコニコ顔に戻る。本当に不思議な女の子だ。
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