17:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 17:56:10.38 ID:TXxgAIfuO
「――誓願。するの?」
「はい。もちろん」
「そっか」
問いに返す言葉には、ためらいのかけらもなく。
清貧・貞淑・従順の誓いを正式に立てる日。私の立場から、括弧書きの見習いが取れる日は、もうそう遠くはありませんでした。
私はもう十年近く、この教会と共に在ります。思い返せば長い道のりだったような、あっという間だったような。
その日を境に、はたして何かが変わるのでしょうか。
訊ねてみると、セイラムは曖昧に笑いました。
「ま、それはともかく」
彼女は手のグラスをひと息に干します。眼差しに、ふと哀愁めいた何かがよぎった気がしました。
「一緒に守っていこうね。この居場所を」
私は、はい、とこたえました。
73Res/52.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20