39:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:34:37.03 ID:eCrKDArS0
「あーっ!! あの時の!」
「う゛ぇぇーっ!? あの時の店員さん!?」
お互い指を指しながら驚きに口をパクパクさせた。
しばらく固まる二人の間でハナコが無邪気に「ワン!」と鳴く。
「…………はは……こんな偶然、あるんだね……」
「……ふ、ふふふ、なんか、ふふっ、おかしいですね」
やがて卯月がぷっと吹き出し、釣られて凛もおかしさと嬉しさに声をあげて笑いだした。
そうして夕暮れの河原でひとしきり笑い合い、すっかり打ち解けた気分になった二人はそれから色々な話をした。
「あの時わたしちょっとテンパっててさ……あー恥ずかしい」
「私ほんとにびっくりしたんですから」
「ごめんごめん」
「ふふ、それにしても凛ちゃんって普段は落ち着いてるのに、時々すごく、こう……迫力ある顔しますよね」
「え? そう?」
「正直なこと言うと私、凛ちゃんのことずっと怖い不良さんなんだと思ってました」
「よく言われるよ。お母さんにもさ、あんたはもっと愛想良くしなさいとか言われるし」
「でも凛ちゃん、笑った顔はすごくかわいいです」
「ちょ、そういうのやめてって、もう、恥ずかしいから……」
「やっぱり照れ屋さん」フフッ
(……卯月の方がよっぽど可愛いんだよなぁ……)
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