38:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:34:01.50 ID:eCrKDArS0
「あ、そういえば思い出した」
卯月がポンと手を叩いて言った。
「お世話になったマネージャーさんに今度お礼をしようと思ってるんです。それで何か良いのないかなって探してるんですけど」
「ふーん、お礼ね……なら花束なんてどうかな。定番かもしれないけど」
「花束かあ」
「ふふ、わたしの家花屋だから、なんだったら割引にしてあげてもいいよ」
「え、本当ですか? でもわざわざ割引なんて……」
「まあわたしが頑固なお父さんを説得できたらの話だけどね」
凛は冗談めかして言った。
それでも卯月は嬉しそうに「割引でなくても私、凛ちゃんのお店で買います!」と言った。
「実を言うと先週、先に辞めちゃったトレーナーさんにも花束を贈ったんです。そっちも凛ちゃんのお店で買えばよかったなあ」
「へえ。ちなみにどこの花屋?」
「確か○○っていうお店だったかな。でもね、そのひとつ前に寄った花屋さんがなんだかすごく怖いところで……」
「怖い花屋なんてのがあるの?」
凛はフフンと鼻で笑った。
「ほんとに怖かったんですよー! 店先の花を見てたらなぜか店員さんにすっごく睨まれて、しかもいきなり怒鳴られたから私ぴゃーって逃げちゃって」
「そんな酷い店あるんだ。何て名前?」
「えーっと、確かフラワーショップ……シブヤ? だったかな?」
「え?」
「え?」
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