32:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:29:48.72 ID:eCrKDArS0
○
翌朝、台風一過のすがすがしい青空であった。
いつものように友達とおしゃべりしながら登校していた卯月は、
ふと校門近くの曲がり角をあの長い綺麗な黒髪がよぎっていくのを見た。
その姿を見とめるや否や卯月は小走りに駆け寄り、
「おはようございますっ 凛ちゃん!」
と声をかけた。
「あ、卯月。おはよう」
一緒に登校していた卯月の友達はあんぐりと口をあけて固まった。
周りにいた生徒もみな驚き、二人がむつまじく挨拶する様子を唖然と見つめるばかりである。
「昨日は帰り、大丈夫でしたか?」
「うん。卯月の方こそ大丈夫だった?」
「はいっ ……それでね、凛ちゃん。私、凛ちゃんに謝らなくちゃいけないことがあるんです」
「?」
「私、今までずっと誤解してました。凛ちゃんってとっても優しい人なんですね」
71Res/65.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20