31:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:29:14.96 ID:eCrKDArS0
「でも、本当に良かった。こういうの、生で見るの初めてだったけど……卯月、すごく楽しそうだったし。わたしも楽しかった」
凛が励ますように笑いかけると、卯月はこくりと頷き、そして
「……うんっ。私、楽しかったです!」
心から嬉しそうに笑ったのである。
それはステージの上でさえ滅多に見ることの敵わない、太陽のようにまぶしい笑顔であった。
(…………!)
この時の、卯月の極上スマイルを目の当たりにした凛の心のときめきは例えようもない。
「あ、ママが呼んでる。今日は来てくれてありがとう、凛ちゃん。また……ね」
そう言って卯月は遠慮がちに手を振って別れ、そして足早に行ってしまった。
後にはただ心を奪われたままの凛が呆然と突っ立っているだけであった。
頭上をするどい閃光が走り、大気が震え、そこでようやく凛はハッと我に返った。
(…………ていうか、帰れないんだけど)
途方に暮れながら凛は、親に電話して迎えに来てもらうよう頼んだ。
普通に怒られた。
71Res/65.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20