11:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:16:31.25 ID:eCrKDArS0
※
「あ痛たた……こ、腰が……」
「だから言ったのに……足元のボール危ないよ、って」
凛は体育教諭の嫌味っぽい説教を受けたあと、むりやり職員室に連れて行かれそうになったが、
凛の腕をひっつかんで歩き出そうとした瞬間、彼は床に転がっていたボールを踏んづけ見事にひっくり返ってしまったのである。
今、鮮血を浴びた凛の足元に屈強な体育教諭が呻き声をあげて突っ伏している。
「もう若くないんだからさ。他の先生呼んでこようか?」
「こ、これしきのこと……助けなどいらんわい」
「ならいいけどさ……ほら、あんたの杖だよ」
転んだ拍子に放り投げられた竹刀を拾い上げると、凛はそれを得意気に地面についてみせた。
「あ」
ふと顔を上げると、廊下の曲がり角からこっそりこちらを覗いている女子生徒と目があった。
卯月である。
「…………」ふらっ
ばたん。
卯月が気絶したようにその場に崩れ落ちた。
「え、え、え、ちょ、大丈夫!?」
凛が慌てふためいて卯月のもとに駆け寄るが、卯月はもはや意識朦朧として目をぐるぐる回している。
「さ、殺人じけん……だれかけーさつ……ひゃくとおばん……」
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