61: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/08/08(水) 11:32:49.91 ID:4VsaTvqw0
――観念した男から事の顛末を問いただすと、
天空橋朋花は聖母らしからぬ表情でプロデューサーを見つめていた。
それも厄災の種といえるリタンガルヤの醤油さしを手に持って。
「朋花、いったい何するつもりだ……!?」
プロデューサーがその顔を引きつらせながら朋花に問う。
だがしかし、先ほどより虹彩から光を追い出してしまっている少女は、
その手に持つお魚醤油さしに視線を落としたまま答える素振りすら見せず。
朱色のキャップを細く滑らかな指でつまみ、くるくると封印を回し外していく。
「よせっ、よせっ! 止めるんだ朋花!! それだけは絶対やっちゃダメだ!」
哀れな家畜が鳴くように、懇願するような男の声もその耳には届かないのか、
朋花はキャップを外した醤油さしを胸の高さで構えると。
「そういえば、プロデューサーさんには先ほど、私の秘密を知られてしまったのでした〜」
「ひ、秘密って、俺の匂いがどうこういうアレか……? それがこんな時にどうしたって――」
「誰にも言わないでくれますよね〜?」
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