60: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/08/08(水) 11:31:34.42 ID:4VsaTvqw0
必死に弁解する男の脳裏であの時のやり取りがフラッシュバックする。
そうして、彼の変化した鼻の下を見逃すような朋花ではない。
「プロデューサーさん? 嘘をつくと〜」
「嘘じゃない! ホントの事しか言ってないさ」
「なら、どうして顔が緩んでるのか――」
説明してくれますよね、と言葉を続けようとした朋花の顔色がサッと変わる。
こんな事返事を待つまでもない。
本当の事しか言ってないのならば、男が取り乱す理由など一つしかない……
つまりは、その方法が常識的ではなかったのだと少女は思い当たったのだ。
事実、衣をつけたプロデューサーに対して千鶴が取った手段とは、
常識的な範疇から遥かに逸れた場所にあった。
口づけて、衣を舐めとり。
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