1:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:53:19.10 ID:OvNWKU9p0
■杏
久しぶりに喫茶店に訪ねると、彼とおじさんではなく、武見先生が居た。
お店がcloseになっていたからなんかあると思ったけど
武見先生は私と同じ彼氏持ち。
私の彼氏と同じ名前の彼氏がいて
私の彼氏と同じ格好の彼氏がいて
私の彼氏と同じ顔の彼氏がいる。
要するに股がけされている。しかも、私と武見先生だけじゃなくて、他の女も加えて9股だ。
怪盗団のみんななら、もうなんともないけど、他の女の人と仲良くしているのは、まだ、抵抗がある。
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2:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:54:18.59 ID:OvNWKU9p0
やっぱ女の子だもん。嫉妬する。
恋敵なんだから。
「こんにちは」
「こんにちは、彼に会いに来たの?」
3:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:54:59.21 ID:OvNWKU9p0
そうしたら彼も懲りて、一人の女の子に絞るだろう。
その方が、みんなにとってもいいはずだ。私たちは、そう考えた。
でも、彼は笑って見せた。
怪盗団の時もそうだけど、彼はピンチの時は、常に笑顔だった。
4:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:55:39.37 ID:OvNWKU9p0
「でも、ちょっと気になるかな?」
「え?」
そう言うと、武見先生は私の隣に座った。
5:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:56:42.14 ID:OvNWKU9p0
「え?子供ができたんですか?」
「ええ……そうよ。心当たりは……」
「ありまくりです」
というか、散々やった。やりまくった。
6:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:57:10.25 ID:OvNWKU9p0
■妙
さっきまでの泣き声が、嘘のように、眠っている。
まだ、食事、排泄、就寝も一人でできないこの子。
大変で、憎たらしい時もあるけど、この寝顔を見ると、どうでもよくなる。
7:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:57:40.11 ID:OvNWKU9p0
新島真。
彼の恋人だ。
じゃあ、私は?私も恋人。彼には9人恋人がいる。おかしい?
そう、彼は普通じゃない。
8:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:58:09.57 ID:OvNWKU9p0
「お子さん大丈夫ですか?」
「うん、今寝たとこ」
「見てもいいですか?」
9:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:58:59.43 ID:OvNWKU9p0
「まあ、大変だよ」
「だと思いますが……彼と一緒なら平気です」
……随分と信頼されているのね。
10:名無しNIPPER[saga]
2018/07/08(日) 23:59:30.31 ID:OvNWKU9p0
■真
大学を卒業して、私は警部補としてキャリアを初めた。数年が経ち、私は妊娠して、産休をとった。
そうして、この子が生まれた。
世界で一番好きな、彼と私の子供。
11:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:00:40.10 ID:BaVBKbuC0
「どうですか?子育て?」
「大変ですけど、頑張っています。それに、私以上にお姉ちゃんが可愛がってくれますし」
「初の姪っ子ですからね、可愛いですね」
お姉ちゃんは、朝から晩まで、仕事そっちのけで、この子の面倒見ている。
12:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:01:15.98 ID:BaVBKbuC0
こんな理想的な父親で、夫なのに、9股しているんだから、玉に傷というレベルじゃない。
彼じゃなきゃ許さないんだから 。
「そうなんですか、真ちゃんも、ですか?」
「じゃあ、千早さんも?」
13:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:01:41.31 ID:BaVBKbuC0
■千早
番組の収録の終わりに、駅で一二三ちゃんに会いました。
最年少女流タイトルの挑戦者。プロになってから勝ち続けています。
その強さに、ルックス。人気があるのも、分かります。
14:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:02:10.35 ID:BaVBKbuC0
あらあら、おめでたです。
まあ、お父さんは、占いするまでも無いですよね。
「良かったら占いましょうか?」
「はい?」
15:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:02:47.83 ID:BaVBKbuC0
「まあ、こんな所です。私の占いなら、三人共いい未来が待っています」
「そうですか……」
「……」
「どうしました?」
「三人……ということは彼も?」
16:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:03:33.27 ID:BaVBKbuC0
■一二三
「インタビューありがとね。一二三ちゃん」
「いえ、他ならぬ大宅さんの頼みですから」
17:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:04:30.85 ID:BaVBKbuC0
今回のインタビューの内容は、ずっと取りたかった、女流タイトルを獲得したからです。
相手は、苦手としていた有名な女流棋士。勝てたのは、本当に奇跡みたいな物でした。
私は、以前と何も変わりません。
一つ、変わったとすれば、母親になりました。
18:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:06:32.21 ID:BaVBKbuC0
「それって、彼のこと言っている……?」
「はい……」
あっ……しまった。これがインタビューだということを忘れていました。
19:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:07:05.19 ID:BaVBKbuC0
■一子
「や、双葉ちゃん」
「なんだよ、一子」
行きつけの喫茶店の看板娘。小柄で、眼鏡をかけた小さな女の子。
20:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:07:36.44 ID:BaVBKbuC0
双葉ちゃんに頼んだのは、仕事の簡略化の為。
やっぱ、記者とママの二人三脚はきつい。
双葉ちゃんに、手伝って貰って、大分、楽になったけどね。
「はい、いつもの」
21:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:08:24.52 ID:BaVBKbuC0
しかし、相変わらず細いわね
ビール腹の私は、羨ましい限り。ちゃんと食べているのかしら?
ん?でも、お腹の方が膨らんでいる…
はあ…ん
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