江ノ島「明日に絶望しろ!未来に絶望しろ!」戦刃「…終わりだよ、ドクターK!」カルテ.8
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120: ◆takaJZRsBc[saga]
2019/05/06(月) 22:49:01.46 ID:1yTFw4Ew0

一つは破滅思想すら含むその気まぐれな性格だ。彼女はわざと自分を不利な状況に
追い込んで楽しむ悪癖があった。しかし、今回ばかりはそれが原因ではない。

二つ目の弱点、それは――疲労である。

彼女はこの二ヶ月間、黒幕としての全ての業務をこなしてきた。流石に食料の搬入などの
力仕事は仲間にやらせたりもするが、監視やモノクマの操作は全て自分で行っている。
部屋に篭りきり、睡眠も削って。

疲労すら江ノ島にとっては心地好い絶望の糧である……であるが、超高校級の保健委員に用意させた
栄養剤で無理矢理体を動かしている状態では、自慢の分析能力もごく僅かな陰りがあった。

そして最後は彼女自身の驕りだ。江ノ島は二年間、その才能をフルに活かしてクラスメイト達の
能力を見てきた。故に、本人以上に彼等の全てを知り尽くしている自負があった。

苗木の幸運や葉隠の占いなどの不確定要素はあるものの、それ以外に不安要素はないのである。

……故に、戦刃の忠告にも耳を貸さなかった。


「なんとなく、としか説明出来ないけど……なんか、いつもより気迫が
 違うというかオーラがあったっていうか」

「そりゃ、向こうだっていい加減覚悟完了してるでしょうよ」

「それだけじゃないんだって! なんか、もっとこう、ええっと!」

「うっさいわね! アタシの邪魔をするってんならいくらお姉ちゃんでも容赦しないわよ」


江ノ島は置いてあったペンを手に取ると、先端を戦刃の目に向ける。彼女の行動は常に本気だ。
江ノ島がすると言ったら彼女は本気で戦刃を殺す。普段ならこういった過激な行動もじゃれ合いとして
喜んでいる戦刃も、今この状況で楽しんでいられるほど能天気ではなかった。


「わ、わかったよ。もう言わない……」




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