18: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 10:13:19.92 ID:ApRGfkc30
姫騎士がおもむろに剣を抜き、少年オークに襲い掛かりました。
従者が止めるより先に、オークは懐に携えた小型の斧で応戦したのでした。
戦闘経験がある姫騎士の剣を咄嗟に弾く姿を見て、従者は昔オーク父が姫騎士を下した瞬間を思い出しました。
姫騎士「殺す!」
従者は辞書で「殺す」が書かれたページを開き、オークに読ませました。
オーク「殺す」
姫騎士は得も言われぬ恐怖を感じました。人間の言葉で、魔物から、殺すと言われること。
想像していたものと違っていたことに、戦慄したのです。
王「そこまでだ」
そこにたくさんの近衛兵を連れた王がやってきたのです。
王「何事かと思えば、オークと剣を交えるとは。肝が冷えたぞ。これは一時預かる」
姫騎士の手から剣を奪い、王はオークの前にやってきました。
王「オークよ、加減してもらったことを感謝する。今頃娘は亡骸になっていただろう」
従者がオークに王の言ったことをわかりやすく伝えると、オークは警戒を解きました。
オーク「何を言っているのかわからなかったけど、物騒なことを言ってきたと知って怖かったよ」
王は従者から「オーク族なりのジョークです」と伝えられたため、笑いながら握手しました。
王「これは失礼をした。ここは何かと目立つ。続きは宮中で話すことにしよう」
従者とオーク、それから姫騎士らは城の中へと入っていきました。
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