33:名無しNIPPER
2018/07/08(日) 02:30:26.25 ID:H+hczwGt0
ああ、タイガと言う人は酷い人だ。
タイガの書いた短冊を盗み見る。
「素麺がいっぱいたべたい」
吊るされた四つの短冊の中で一番無邪気な願いにしか見えない。
けれど、それは分かる人――私にしか分からない挑戦状。
私にとって一番恐ろしい願い。
虎の縞模様は丁度、竹林に隠れるのに適していると言う。
この笹に隠れるこの意図は……私しか知らない。
ああ、私の見識が違っていた。
彼女はただ武にのみ優れている訳では無かった。
始終太平楽な表情を浮かべて敵の油断を誘う。
――それでも、それを私に教えてくれた。
訂正しよう。彼女は最高の教師だと。
そして、私とタイガの戦いは人知れず始まった。
これがその開戦の合図。
「いただきます」
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