72: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:42:26.77 ID:LgMjPCNT0
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舞台から袖に戻った私は、出迎えてくれたプロデューサーの腕の中へ崩れるように倒れ込んだ。
……立っているのがやっとの状態だった。膝は震えて、歯の根が合わず、
本当に出番が終わったのか、フワフワと夢の中にいるような気分で私は体を支えられた。
でも意識は徐々にハッキリしだし、割れんばかりの――なんて大袈裟には言えないけれど、
それでも確かな客席からの拍手の音が私を包む。
そうして傍に寄って来た見学の彼女。
悔いを残したままでいた少女はとめどなく涙を流しながら、
私に「ありがとう」と震える声でこぼしたのだ。
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