34: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:39:02.06 ID:Wze3yOnD0
でっかいタルトがクッキー生地の一片も残さず食い尽くされ、本はやっと自ら棚に戻っていった。
「……ありがとうございます……。皆、甘いものが好きなので……とても満足しています」
35: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:40:03.41 ID:Wze3yOnD0
〇
36: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:40:47.94 ID:Wze3yOnD0
「なんか、人助けに来たみたいな感じになってるなぁ」
「情けは人の為ならずと申しますー。これもまた、趣のある道行きとー」
37: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:41:23.50 ID:Wze3yOnD0
「いやぁ、いい歌だった。逸材ってのはいるもんだなぁ、芳乃……芳乃?」
38: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:42:13.42 ID:Wze3yOnD0
速足で歩きすぎたか?
自慢じゃないが俺は凡人だ。夜市を一人で歩くには未熟もいいところだ。
39: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:43:04.63 ID:Wze3yOnD0
「心配したのでしてー」
「すまん、注意が足りなかった」
「あまり急ぎすぎてはいけませぬー。わたくしの傍を離れぬようー」
40: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:44:33.80 ID:Wze3yOnD0
手を引かれると、自然と足が前に出る。
「うふふ」
41: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:45:31.43 ID:Wze3yOnD0
いつか歩いた夏の祭り。
燃え立つ暑気と涼やかな夜空。
42: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:49:06.95 ID:Wze3yOnD0
芳乃はただ、不思議そうな顔をして。
43: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:50:05.66 ID:Wze3yOnD0
〇
下りる下りる。長い長い階段。
44: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:50:57.13 ID:Wze3yOnD0
まるで宇宙の狭間に立っているようだった。
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