40: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:44:33.80 ID:Wze3yOnD0
手を引かれると、自然と足が前に出る。
「うふふ」
人の間を迷いなく進みながら、芳乃は楽しそうだった。
その足取りが頼もしくて、これはもう身を任せざるをえないなと思う。
不思議な夜市にあっては、俺などきっと子供も同然なのだ。
前を芳乃が歩いている。
首の後ろで結った髪が、夜風にふんわり揺れている。
鈴なりの提灯が光る。誰かが持ったビニール袋の中で金魚が揺れている。
「…………」
何だろう。
何か。
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